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パッケージの表面加工とは?種類・特徴と選び方を解説
目次
パッケージの仕上がりを左右するのは、形状や紙、印刷デザインだけではありません。印刷後に施す「表面加工」によって、光沢のある華やかな印象にしたり、落ち着いたマットな質感にしたりできます。
表面加工には、印刷面の擦れや色落ちを防ぎ、パッケージを保護する役割もあります。ただし、加工方法によって質感、耐久性、費用、適した用途が異なるため、見た目だけで選ぶのはおすすめできません。
この記事では、紙箱・化粧箱を中心に、代表的なパッケージ表面加工の種類や特徴、目的に合った選び方、発注前の注意点を解説します。
パッケージ製作をご検討中の方へ
どの表面加工を選べばよいか迷っていませんか?
商品の用途や必要な耐久性、希望する質感、数量、ご予算を確認したうえで、紙箱の形状・材質・印刷方法・表面加工をご提案します。
見積もり・参考サンプルのご相談も承ります。
パッケージの表面加工とは
パッケージの表面加工とは、紙に印刷したあと、表面にニスや樹脂を塗ったり、フィルムを貼ったりする工程です。
主な役割は、次の2つです。
- 印刷面の擦れ、傷、色落ち、色移りなどを抑える
- 光沢、マット感、立体感などを加えてデザイン性を高める
表面加工を施すことで、商品の保管中や輸送中にパッケージが傷つくリスクを抑えられます。また、同じデザインでも、光沢を加えるか、ツヤを抑えるかによって、商品から受ける印象は大きく変わります。
印刷と表面加工の違い
印刷と表面加工は、パッケージ製造における役割が異なります。
| 工程 | 主な役割 |
|---|---|
| 印刷 | 文字、写真、ロゴ、色などを紙に表現する |
| 表面加工 | 印刷面を保護し、光沢やマット感などの質感を加える |
| 特殊加工 | 箔押しやエンボスなどで部分的な装飾や立体感を加える |
オフセット印刷やフレキソ印刷などの違いについては、別記事の「パッケージ印刷の種類」で詳しく解説します。
パッケージに使われる表面加工の種類を比較
紙箱・化粧箱で使われる主な表面加工には、ニス引き、ビニール加工、プレスコート、PP加工などがあります。
それぞれの一般的な違いは、以下のとおりです。
| 表面加工 | 主な仕上がり | 特徴 | 費用の傾向 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|---|
| ニス引き・ビニール加工 | 微光沢 | 一般的で費用を抑えやすい | 低め | 一般的な紙箱・化粧箱 |
| マットビニール | ツヤ消し | 自然で落ち着いた印象 | 低~中 | 雑貨・食品・ナチュラル系商品 |
| プレスコート | 強い光沢 | 表面を平滑に仕上げる | 中~高 | 菓子箱・ギフト箱 |
| グロスPP | 強い光沢 | 撥水性や耐久性を高めやすい | 高め | 化粧品・高級商品 |
| マットPP | しっとりしたツヤ消し | 落ち着いた高級感を出しやすい | 高め | コスメ・アクセサリー・雑貨 |
| 耐水耐油加工 | 見た目への影響が少ない | 水滴や油分の染み出しを抑える | 仕様による | 食品用パッケージ |
費用や仕上がりは、使用する紙、加工面積、数量、箱の形状、加工会社の設備によって変わります。上表はあくまで一般的な傾向としてご覧ください。
代表的なパッケージ表面加工の特徴
ニス引き・ビニール加工
ニス引きは、印刷面に透明なニスを塗る表面加工です。ビニール加工は、印刷面に樹脂を塗工し、表面を保護します。
どちらも、わずかに光沢のある仕上がりになる一般的な加工です。印刷面の色落ちや擦れを抑えながら、比較的費用を抑えやすいことが特徴です。
ニス引きとビニール加工は仕上がりが似ていますが、加工方法が異なります。山元紙包装社では、数量や仕様を確認したうえで、費用を抑えやすい方法をご提案しています。
ただし、フィルムを貼るPP加工と比べると、撥水性や耐久性は限定的です。強い耐水性が必要なパッケージでは、別の加工も含めて検討する必要があります。
マットビニール
マットビニールは、表面のツヤを抑え、自然で落ち着いた印象に仕上げる加工です。
華やかな光沢を出すというよりも、印刷面を保護しながら紙やデザインの雰囲気を活かしたい場合に向いています。
ナチュラル系の食品や雑貨、アパレル商品など、やわらかいブランドイメージを表現したいパッケージに取り入れやすい加工です。
ただし、マットPPほど強いマット感やしっとりした質感が出るわけではありません。自然な仕上がりと高級感のどちらを優先するかによって、加工方法を選びましょう。
プレスコート
プレスコートは、印刷面に樹脂を塗り、熱と圧力を加えて表面を平滑に仕上げる加工です。鏡面に近い強い光沢を表現できます。
ニス引きよりも光沢感を出しやすいため、華やかさを演出したい菓子箱やギフト用パッケージなどに向いています。
一方で、山元紙包装社が扱うプレスコートは、グロスPPのような撥水性を持つ加工ではありません。水分への強さが必要な場合は、見た目が似ているグロスPPも含めて検討する必要があります。
使用する紙やデザインによっては、加工後に色が濃く見えたり、強い光沢によって傷が目立ったりすることもあります。
グロスPP加工
グロスPP加工は、印刷面に光沢のあるポリプロピレンフィルムを貼る加工です。
強い光沢を出せるだけでなく、印刷面の撥水性や耐摩擦性を高めやすいことが特徴です。また、紙の表面をフィルムで覆うため、折り部分の紙割れを抑える効果も期待できます。
化粧品、コスメ、高級食品、ギフト商品など、見た目の華やかさと耐久性の両方を重視するパッケージに向いています。
ただし、ニス引きやプレスコートより費用が高くなる傾向があります。濃い色のパッケージでは、指紋や擦れ傷が目立つ場合もあるため注意が必要です。
マットPP加工
マットPP加工は、印刷面につや消しのPPフィルムを貼る加工です。
光の反射を抑え、しっとりとした落ち着きのある質感に仕上げられます。化粧品、アクセサリー、ジュエリー、雑貨など、高級感やブランドらしさを重視するパッケージでよく検討される加工です。
マットニスやマットビニールよりも深いマット感を表現しやすく、耐久性や撥水性も高められます。
一方で、黒や紺などの濃色を広い範囲に印刷したデザインでは、擦れた部分が白っぽく見えたり、傷や指紋が目立ったりする場合があります。色やデザインを決める段階から、仕上がりを確認しておくことが大切です。
耐水耐油加工
耐水耐油加工は、食品用の紙箱などで、水滴や油分が紙に染み込むのを抑えるための加工です。
一般的には、箱の内側に塗工して使用します。焼き菓子、総菜、テイクアウト商品など、水分や油分を含む食品のパッケージで検討されます。
ただし、耐水耐油加工を施しても、完全な防水・防油になるとは限りません。入れる食品、温度、保管時間、包装方法によって必要な仕様が変わるため、実際の使用条件を伝えたうえで相談することが重要です。
食品を直接入れる場合は、紙やインキ、接着剤なども含めて、用途に適した仕様を確認しましょう。
高級感や特別感を加える特殊加工
パッケージには、印刷面全体を保護する表面加工だけでなく、ロゴや商品名を目立たせる特殊加工もあります。
箔押し加工
箔押しは、金、銀、白、黒などの箔を、熱と圧力によって紙の表面に転写する加工です。ホットスタンプとも呼ばれます。
通常の印刷では表現しにくい金属光沢を出せるため、ブランドロゴや商品名を強調したい場合に向いています。
化粧品、アクセサリー、ジュエリー、高級菓子など、特別感を伝えたい商品のパッケージでよく使われます。
箔押しには専用の版が必要です。また、細すぎる文字や線は、潰れたり欠けたりする可能性があります。デザイン段階から、箔押しに適した太さや面積を確認しておきましょう。
エンボス・デボス加工
エンボス加工は、紙の表面を押し上げ、文字や模様を立体的に見せる加工です。反対に、表面をへこませる加工はデボス加工や空押しと呼ばれます。
インキを使わなくても、光の当たり方や手触りによってデザインを表現できることが特徴です。
ロゴや商品名に使うことで、視覚だけでなく触覚にも訴えられるパッケージに仕上がります。
ただし、紙の厚みや材質、加工する位置によって、表現できる細かさが異なります。折り筋や箱の端に近い位置では加工しにくい場合もあります。
目的に合ったパッケージ表面加工の選び方
費用を抑えたい場合
費用を抑えながら印刷面を保護したい場合は、ニス引きやビニール加工が候補になります。
いずれも一般的な表面加工ですが、どちらが安くなるかは数量や仕様によって異なります。最初から加工方法を一つに決めず、仕上がりの希望と数量を伝えて見積もりを比較しましょう。
光沢のあるパッケージにしたい場合
強い光沢を出したい場合は、プレスコートまたはグロスPPが候補になります。
プレスコートは表面を平滑にして光沢を出す加工です。グロスPPは、光沢のあるフィルムを貼るため、撥水性や耐久性も高めやすくなります。
見た目だけでなく、水分への強さや輸送時の擦れまで考えて選ぶことが重要です。
落ち着いた高級感を出したい場合
ツヤを抑えた上品なパッケージにしたい場合は、マットビニール、マットPPが候補です。
自然で控えめな仕上がりを求める場合は、マットビニールが適しています。しっとりした質感や高級感を重視する場合は、マットPPを検討します。
マットPPと箔押しを組み合わせると、落ち着いた表面の中でロゴだけを印象的に見せることも可能です。
水分や油分に配慮したい場合
外側からの水分や汚れに配慮したい場合は、PP加工が候補になります。食品の油分や水滴が箱の内側から染み出すのを抑えたい場合は、耐水耐油加工を検討します。
PP加工を施したからといって、すべてのパッケージが完全防水になるわけではありません。使用する場所や内容物、保管時間などを伝えたうえで仕様を決めましょう。
触りたくなる質感を出したい場合
表面に立体感や手触りを加えたい場合は、エンボス、デボス、などが候補になります。
特殊加工はパッケージ全体に使うだけでなく、ロゴや商品名など、目立たせたい部分に絞って使う方法もあります。
商品別におすすめの表面加工

化粧品・コスメ
化粧品やコスメのパッケージでは、ブランドイメージや店頭での見え方が重要です。
華やかさを出したい場合はグロスPP、落ち着いた高級感を出したい場合はマットPPが候補になります。ロゴ部分に箔押しやエンボスを組み合わせる方法もあります。
濃色を使う場合は、指紋や擦れ傷の見え方をサンプルで確認しておくと安心です。
アクセサリー・ジュエリー
アクセサリーやジュエリーのパッケージでは、商品を開封する前から特別感を伝えることが大切です。
マットPP、箔押し、エンボスなどを使うと、落ち着いた質感と立体感を表現できます。既製品の貼り箱にロゴを箔押しするセミオーダーも、小ロットで検討しやすい方法です。
お菓子・食品
お菓子や食品のパッケージでは、デザイン性だけでなく、水分、油分、温度、保管期間なども考慮する必要があります。
一般的な菓子箱ではニス引きやビニール加工、強い光沢が必要な場合はプレスコートやグロスPPが候補になります。油分や水滴が気になる場合は、箱の内側への耐水耐油加工も検討します。
食品を直接入れる場合は、表面加工だけでなく、紙やインキなども含めた確認が必要です。
雑貨・アパレル
雑貨やアパレル商品のパッケージでは、商品の世界観と表面の質感を合わせることが重要です。
ナチュラルな商品にはマットニス、華やかな商品にはグロスPP、高級感を重視する商品にはマットPPや箔押しなどが候補になります。
素材感のある紙を使用する場合は、表面加工によって紙本来の風合いが変わることもあるため注意しましょう。
通販・配送用パッケージ
通販や配送に使用するパッケージでは、見た目に加えて、輸送中の擦れや汚れへの配慮が必要です。
商品箱にPP加工を施す方法もありますが、配送用段ボールと商品用パッケージを分けることで、費用を抑えられる場合もあります。
表面加工だけで解決しようとせず、箱の材質や形状、梱包方法も含めて検討しましょう。
表面加工の費用と納期を左右する要素
表面加工の費用は、加工方法だけで決まるわけではありません。
主に以下の条件によって変わります。
- 製造数量
- 箱のサイズと形状
- 使用する紙
- 加工する面積
- 全面加工か部分加工か
- 箔押しなどの特殊加工を組み合わせるか
- 試作や色校正を行うか
- 納品までのスケジュール
同じ仕上がりでも、数量によってニス引きとビニール加工のどちらが安くなるかが変わる場合があります。
費用を抑えたい場合は、希望する加工名だけを伝えるのではなく、「どのような見た目や機能が必要か」を伝えることが大切です。希望に近い別の加工方法を提案できる場合があります。
パッケージに表面加工を施すときの注意点

加工後に色の見え方が変わることがある
グロス系の加工を施すと、印刷色が濃く鮮やかに見える場合があります。反対に、マット系の加工では、色が落ち着いて見えることがあります。
色を重視するパッケージでは、印刷データだけで判断せず、加工後のサンプルや色校正を確認しましょう。
濃色は指紋や擦れ傷が目立ちやすい
黒、紺、茶色などを広い範囲に印刷したパッケージは、指紋や擦れ傷が目立ちやすくなります。
特にグロスPPやマットPPでは、光の当たり方によって傷が見えやすくなることがあります。輸送方法や箱同士の接触も含めた確認が必要です。
折り目に紙割れが起こることがある
厚い紙や濃い色を使用したパッケージでは、折り曲げた部分の表面が割れ、紙の白い部分が見えることがあります。
紙の種類、紙目、印刷範囲、折り位置などによって起こりやすさが異なります。PP加工で紙割れを抑えられる場合もありますが、設計段階からの調整が重要です。
糊付けや後加工への影響を確認する
表面加工を施した部分には、糊がつきにくくなる場合があります。そのため、箱を貼り合わせる部分だけ加工を抜くなどの対応が必要です。
表面加工のあとに箔押しやシルク印刷を行う場合も、加工同士の相性を確認しなければなりません。
本生産前に実物を確認する
光沢やマット感、手触りは、パソコンやスマートフォンの画面では正確に確認できません。
完成後のイメージを重視する場合は、参考サンプルや試作品を確認してから本生産に進みましょう。
パッケージの表面加工に関するよくある質問
パッケージには必ず表面加工が必要ですか?
必ず必要とは限りません。使用する紙、印刷方法、デザイン、輸送条件によっては、表面加工を施さない選択肢もあります。ただし、印刷面の擦れや色落ちが心配な場合は、表面加工を検討した方がよいでしょう。
費用を抑えやすい表面加工はどれですか?
一般的には、ニス引きやビニール加工が比較的費用を抑えやすい加工です。ただし、数量や仕様によって変わるため、両方を比較して決める方法がおすすめです。
ニス引きとPP加工の違いは何ですか?
ニス引きは、印刷面に液体のニスを塗る加工です。PP加工は、印刷面にフィルムを貼る加工です。一般的には、PP加工の方が撥水性や耐久性を高めやすい一方、費用も高くなる傾向があります。
プレスコートとグロスPPの違いは何ですか?
どちらも強い光沢を出せますが、加工方法が異なります。プレスコートは樹脂を塗って圧を加える加工、グロスPPは光沢のあるフィルムを貼る加工です。撥水性も必要な場合は、グロスPPが候補になります。
マットPPは傷がつきやすいですか?
マットPP自体には印刷面を保護する効果がありますが、濃い色のベタ印刷では、擦れた部分が白っぽく見えることがあります。傷が目立つかどうかは、色やデザイン、輸送条件によって変わります。
パッケージの一部分だけ加工できますか?
加工方法によっては、ロゴや商品名など一部分だけに加工を施せます。部分ニス、箔押し、エンボスなどが代表例ですが、紙やデザインによって対応可否が異なります。
表面加工をすると防水になりますか?
表面加工を施しても、必ず完全防水になるわけではありません。PP加工や耐水耐油加工によって水分の影響を抑えられる場合はありますが、箱の断面、折り目、貼り合わせ部分などから水分が入る可能性があります。
小ロットでも表面加工はできますか?
加工方法や商品によって異なります。既製品の箱に箔押しでロゴを入れるセミオーダーは、小ロットでも検討しやすい方法です。完全オリジナルの紙箱に表面加工を施す場合は、数量が少ないほど1個あたりの費用が高くなる傾向があります。
商品に合った表面加工を選びましょう
パッケージの表面加工には、印刷面を保護するだけでなく、光沢、マット感、立体感などを加え、商品の魅力を伝える役割があります。
ただし、高価な加工を選べばよいわけではありません。商品の価格帯、ブランドイメージ、販売場所、輸送方法、必要な耐久性、予算などを踏まえて選ぶことが重要です。
山元紙包装社では、ギフト、化粧品・コスメ、アクセサリー、雑貨、食品、通販など、用途に合わせたオリジナル紙箱・化粧箱を製作しています。内容物のサイズや重さ、使用シーンを確認したうえで、箱の形状、材質、印刷方法、表面加工をご提案可能です。
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